前回はラテン圏の「Latin GRAMMYs」を扱いましたが、今回は本家グラミー賞(The GRAMMY Awards)のノミネートから、ラテン/レゲトン関連アーティストを特集します。
ノミネーションはRecording Academy(GRAMMY.com)の公式リストに準拠。
授賞式と放送情報
第68回グラミー賞は、2026年2月1日(現地)にCrypto.com Arena(ロサンゼルス)で開催。
生中継はCBS、配信はParamount+で行われると案内されています。
日本ではWOWOWが第68回の放送・配信ページを公開しており、日本時間では2月2日(月)午前の生中継/同日夜の字幕版という編成が掲載されています。(wowow.co.jp)
レゲトンの主戦場:Best Música Urbana Album
レゲトン/ラテン・アーバンの“主戦場”に当たるのが「Best Música Urbana Album」。
公式ノミネートは以下の6作品です。

・Bad Bunny『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』
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・J Balvin『Mixteip』
・Feid『FERXXO VOL X: Sagrado』
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・Nicki Nicole『NAIKI』
・Trueno『EUB DELUXE』
・Yandel『SINFÓNICO — En Vivo』
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この部門の特徴は、レゲトンの中心地であるプエルトリコ勢(Bad Bunny / Yandel)に加え、コロンビア(J Balvin / Feid)、アルゼンチン(Nicki Nicole / Trueno)までが同一カテゴリに並んでいる点です。ノミネートの並びだけを見ると、本家GRAMMY上では「レゲトン」と「ラテン・アーバン(トラップやポップ寄りの作品を含む)」が、同じ枠組みで評価されていることが分かります。
ラテン全体を代表する主要カテゴリ:Best Latin Pop Album

本家GRAMMYのラテン部門で、より広い層に届きやすいのがBest Latin Pop Album。こちらの公式ノミネートは次の5作品です。
・Rauw Alejandro『Cosa Nuestra』
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・KAROL G『Tropicoqueta』
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・Andrés Cepeda『BOGOTÁ DELUXE』
・Natalia Lafourcade『Cancionera』
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・Alejandro Sanz『¿Y Ahora Qué?』
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レゲトンで特に注目されるのは、Rauw AlejandroとKAROL Gがこの「Latin Pop」に入っている点です。どちらもアーバン/レゲトン側のリスナーと強く接続している一方で、本家GRAMMYでは“ラテン・ポップ”としての完成度やアルバム性の評価が前面に出やすいカテゴリでもあります(=同じラテンでも「Urbana」と「Pop」で評価軸が分かれている)。
主要部門での動き:Bad Bunnyは“6部門”で名前が並ぶ
今年のラテン/レゲトン文脈で最もニュースになっているのは、Bad Bunnyが主要部門を含む複数カテゴリでノミネートされている点です。GRAMMY.comのアーティストページでは、第68回(2026)で以下6部門のノミネーションが明示されています。
- Record Of The Year:「DtMF」
- Song Of The Year:「DtMF」
- Album Of The Year:『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』
- Best Música Urbana Album:『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』
- Best Global Music Performance:「EoO」
- Best Album Cover:『Debí Tirar Más Fotos』
WOWOW側でも「Bad Bunnyが6部門でノミネート」と説明されており、主要部門(Record / Album / Song)に並んだ点が番組紹介文で触れられています。また海外報道でも、スペイン語圏アーティストとして主要部門に名を連ねた点が大きく扱われています。
制作側の“ラテンの存在感”:Edgar Barrera

(Billbord.comより)
アーティスト名に加えて、制作サイドでラテンの存在感を示す例として、ソングライター/プロデューサーのEdgar Barreraが「Songwriter Of The Year, Non-Classical」にノミネートされていることも報じられています。Barreraはラテンのヒット曲制作で広く知られており、本家GRAMMYでは「ラテンのサウンドがメインストリームの制作現場に深く入り込んでいる」ことを示す事実として押さえておきたいポイントです。(apnews.com)
まとめ
今回の第68回グラミー賞ノミネートを見ると、レゲトンやラテン・アーバンがどの位置で評価されているのかがはっきりと見えてくる。なかでもBest Música Urbana Albumは、現在のラテン・アーバンシーンを最も端的に映し出すカテゴリとなっており、プエルトリコ、コロンビア、アルゼンチンといった主要地域のアーティストが同じ土俵に並ぶことで、シーンの重心が一目で分かる構成となっている。
一方でBest Latin Pop Albumには、KAROL GやRauw Alejandroといったレゲトン文脈とも深く結びつくアーティストが選出されており、本家GRAMMYにおいてラテン・ポップが「主流」として機能していることがうかがえる。レゲトンとポップの境界は年々曖昧になっており、その流れがノミネートの顔ぶれにも反映された形だ。
そして今回のノミネート全体を象徴する存在がBad Bunnyである。第68回では6部門でノミネートが確認されており、ラテン/レゲトン勢としては例外的とも言える広がりを見せている。主要部門を含む複数カテゴリで名前が挙がったことは、本家GRAMMYにおけるラテン音楽の扱いが、もはや周縁的なものではなくなっていることを示す一つの指標と言えるだろう。



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