今週はスペインとメキシコ周辺を軸に、「ラテンのいま」掴める5曲をチョイス!
Bad Gyal – Un Coro y Ya 🙂
ミドルテンポのリズムに、ベースは控えめ・ボーカルのニュアンス前面という構成で、彼女特有の気怠さと強さがしっかり届く作りになっています。
リリックは恋愛ゲームを軽くいなすスタンスが軸にありつつ、状況をコントロールしているのはあくまで自分、という「女性の主体性」を描いた内容。
クラブとストリーミングの両方を狙える設計で、2026年現在のBad Gyalのモードを象徴するキートラックと言ってよさそうです。
Xavi, Esau Ortiz, Alan Arrieta – San Charly
「San Charly」という半分フィクションの楽園を舞台に、メキシコ西海岸のバカンス感をそのままパッケージしたパーティチューン。
アコースティック寄りのサウンドに、コリード以降のラテン・サウンドの空気を軽くまとわせつつも、ダークさより“開放感”に振り切っているのがポイントです。海・テキーラ・仲間との時間といったイメージが次々と浮かぶリリックで、「危険」より「享楽」に軸足を置いたライフスタイル・ソングのポジション。メキシコ発トラックの中でも、ヘビーリスナーだけでなくライト層まで届きやすい入口になりそうな1曲です。
La Mas Doll X Arlene MC – Polvo
ラテン・ドリル〜デンボウの攻撃的なビートに、露骨なセクシュアル・リリックを乗せたフロア向けバンガー。
乾いたキックとスネアが前面に出るビートに対して、2人のMCが直線的でラフなフロウで畳みかける構成で、「クラブのピークタイム専用」と言いたくなるサウンドです。内容的にはかなりド直球ですが、その“遠慮のなさ”自体が今のラテン女性アーティストの攻めたスタンスと地続きになっているのもポイント。歌心で聴かせるというより、バイブスとエネルギーで押し切るタイプのトラックを探している人に刺さる1曲になっています。
Ptazeta – Ay Amor
約1年半ぶりの復帰作となるこの曲で、Ptazetaはそれまでのトラップ/レゲトン路線から一歩離れ、バチャータやラテン・ポップの要素を取り入れた柔らかいサウンドを提示。
ギターのアルペジオとスウィングするリズムが、揺れ動く恋心をそのままサウンドにしたような質感で、ハードなビートの上でラップしていた頃とは明確にフェーズが変わった印象です。テーマも一瞬の燃え上がりというより、自分を大切にした後に訪れる“少し大人な愛”に近く、アーティストとしての成長や私生活の変化を反映したような内容。
「Ptazeta=トラップ」のイメージで止まっていたリスナーが、もう一度聴き直すきっかけになりそうなターニングポイント的シングルです。
Chiche Nieto, RVFV, l0rna, El Bugg, MARCE, Dlomalo – Carita de BB 2.0
2025年の「Carita de BB」をベースに、RVFVやl0rnaらを迎えてストリート色とポップ感を同時に増幅させたアップデート版リミックス。
オリジナルの甘く中毒性のあるメロディはしっかりキープしながら、ビートと客演陣のラップ/ボーカルで、現行スペイン・トラップ/レゲトンの空気感を色濃くまとわせています。恋愛に囚われて抜け出せない、不安定で少し危ういメンタリティを歌いながらも、サウンド自体はキャッチーで「悲しいのに踊れる」タイプの1曲。オリジナルを聴いていた層には完成版として、初めて触れるリスナーにとってはここから「Carita de BB」の世界へ入る入口として機能しそうです。


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