J Balvin|スペイン語で世界を制したレゲトンの革命児

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CHIRO
先輩〜、最近またJ Balvinって名前よく聞くんすけど…
この人ってそんなにスゴいんすか?
Ichi the JP
ヤバいなんてもんじゃない。
スペイン語だけで世界トップを獲ったレゲトンの革命児だ。
音楽、ファッション、メンタルヘルス…全部でカルチャーを動かしてる存在なんだ。
J Balvin(ジェイ・バルビン)

Instagramフォロワー数:5,017万人
X(旧Twitter)    :1,080万人
Spotify月間リスナー数 : 6,700万人

1985〜1995|メデジン生まれ、裕福な少年の挫折と音楽の目覚め

J Balvin(ホセ・アルバロ・オソリオ・バルビン)は1985年5月7日、コロンビアのメデジンで誕生した。父親は経済学者であり、当時は成功したビジネスマン。幼少期は裕福な暮らしを送り、音楽や芸術に囲まれて育った。

しかし90年代初頭、父のビジネスが破綻し家庭は破産状態に陥る。生活水準は急落し、バルビン少年は裕福な友人たちとの格差を痛感。彼の内に「家族を救う」「自力で這い上がる」という強烈な原動力が芽生える。

この頃からギターを弾き始め、NirvanaやMetallicaなどロックに傾倒。音楽が“逃避の手段”から“自己実現の武器”へと変わる大きな転機が訪れる。

1995〜2005|ロックからレゲトンへ、米国修行とメデジンでの地盤固め

10代後半、彼の音楽嗜好はロックからレゲトンへと劇的に変化する。きっかけはDaddy Yankeeとの出会い。「スペイン語でここまでクールな音楽ができるのか」と衝撃を受け、自らもレゲトンアーティストになることを決意。

17歳で単身アメリカに渡り、オクラホマやニューヨークで語学と音楽の武者修行を行う。英語を習得しながらも、ホームレスに近い貧困生活を経験。肉体労働の傍ら、ストリートでフリースタイルやDJを披露する日々を過ごす。

英語ラップの影響も受けつつ、「スペイン語だけで世界を目指す」というアイデンティティを固めていく。そして2004年にメデジンへ戻る。クラブシーンでライブ活動を始め、仲間と制作したミックステープを手売りするなど、地元での支持を着実に広げていった。

なお、音楽活動を始める以前、短期間ながらテレビ番組にも出演したことがあり、当時から表現活動への意欲は強かったとされる。

2005〜2015|レゲトン界に登場、新たな“都会派フロウ”の確立

2009年、シングル「Ella Me Cautivó」で正式デビューを果たす。繊細で洗練されたフロウ、R&B要素を含んだ柔らかなスタイルは、従来のマッチョなレゲトンとは異なり、特に女性ファンを中心に支持を得た。

2014年、Farrukoとの共作「6 AM」がビルボード・ラテンチャートで2位にランクイン。続く「Ay Vamos」や「Ginza」が立て続けにヒットし、J Balvinはラテンアメリカで最も注目されるアーティストへと成長する。


アルバム『La Familia』『Energía』では、都会的かつ国際感覚に満ちた音作りと、カラフルなファッションセンスが融合。自身のビジュアルブランディングにも力を入れ始め、音楽だけでなくビジュアルでもレゲトンのイメージを刷新した。

2015〜2025|“世界標準”のレゲトンへ、音楽・アート・社会を横断

2017年、世界を驚かせたのが「Mi Gente」だった。フランスのDJ Willy Williamと制作したこの曲は、Spotifyグローバル1位、YouTube再生数は10億回を超える。さらにBeyoncéを迎えたリミックスは、米国のチャートでもTOP3入りを果たす。

翌年、Bad Bunnyとのコラボアルバム『Oasis』をリリース。TrapとReggaetonを融合させた革新的なサウンドは、ラテン音楽の“第2波”を象徴する作品として称賛された。

2020年には、アルバム『Colores』をリリース。日本の現代アーティスト・村上隆が手掛けたカバーアートが話題となり、音楽とアートのビジュアル面での融合という新しい可能性を提示した。

さらにGuessやNike、Air Jordanとのコラボにより、ファッションアイコンとしての地位も確立。ラテンアーティストとしては異例の「ファッション業界進出」を果たした。

一方で、同時期にメンタルヘルス問題にも直面。うつ病を公表し、「自己管理と心のケア」の重要性を訴えるように。2022年にはウェルネスアプリ「OYE」を立ち上げ、自らの体験を通じて心のケアの重要性を発信。瞑想や自己対話を中心とした内容で、多くのユーザーの共感を呼んでいる。

そして2024年、最新アルバム『Rayo』をリリース。Feid、Bad Gyal、Blessdら若手注目株と手を組みつつ、円熟味を増した新たな音楽性を見せつけ、「帰ってきた王者」としての存在感を放っている。

まとめ|ジャンルを越えた“カルチャーリーダー”としての存在感

J Balvinは、スペイン語だけで世界を制した最初の真のグローバルアーティストのひとりだ。Spotifyの累計再生数は200億回を超え、ラテン音楽の壁を越えた存在として、その名はアジアやアフリカでも知られるようになった。

彼の活動は音楽だけにとどまらない。ファッション、アート、メンタルヘルス、社会的メッセージまで、あらゆるジャンルを横断しながら、ラテン文化そのものをアップデートし続けている。

そして日本でも、彼の楽曲はTikTokやSpotifyでじわじわと認知を広げており、今後さらなるブレイクの可能性を秘めている。Rosalía、Rauw Alejandro、Feidといった新世代アーティストにも多大な影響を与えており、彼の存在は“ジャンル”ではなく“ビジョン”として受け継がれている。

J Balvinは、まさに時代を超えるレガシーを築きつつあるのだ。

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