
顔ちっちゃいし、笑顔めっちゃキュンとくるんすけど…!

ビジュアルだけじゃなくて、音楽の幅もめちゃくちゃ広いんだぞ。
レゲトンもラテントラップもいける。彼女の来歴を辿っていこう。

Becky G(ベッキージー)
Instagramフォロワー数: 3,700万人
X(旧Twitter) : 440万人
Spotify月間リスナー数 : 2,700万人
1997–2011|幼少期とYouTubeからの出発
Becky GことRebbeca Marie Gomezは1997年3月2日、カリフォルニア州イングルウッドで生まれた。メキシコ系の移民家庭に育ち、4人きょうだいの一人。家族は生活に苦しみ、9歳のときには祖父母のガレージで暮らすという貧困の中にあった。
そんな境遇の中でも、彼女は幼いころからスターになる夢を抱き、10歳でコマーシャルや子役の仕事を始める。並行して音楽にも関心を持ち、独学でギターを弾き、作詞を行うように。2011年にはYouTubeチャンネルを開設し、人気楽曲に自身のリリックを加えたカバー動画を投稿し始めた。
中でも、Kanye WestとJay-Zの「Otis」に独自のラップを重ねた動画は業界関係者の目に留まり、プロデューサーDr. Lukeとの契約につながった。こうして、Becky Gの音楽キャリアは本格的に動き出す。
2012–2016|英語ポップスターとしての第一歩
キャリア初期のBecky Gは、アメリカのティーン層をターゲットにした英語ポップのアーティストとして活動していた。2013年にはKeshaの「Die Young」のリミックスに参加、2014年には「Shower」がビルボードHot 100で最高16位を記録する大ヒットとなり、ティーンのポップアイコンとしての地位を確立した。
この時期、Katy PerryやDemi Lovato、Pitbullのツアーに同行するなど、米ポップシーンの新星として注目を集めたが、彼女自身はどこか違和感を感じていたという。英語を話すアーティストとしての活動は、自身の文化的アイデンティティを反映しきれていなかった。
「私はスペイン語で育ってきたし、家ではいつも祖母の話すスペイン語が響いていた」と、後にBecky Gは語っている。この違和感が、後の“スペイン語回帰”につながっていく。
2017–2021|スペイン語で世界をつかんだ時代
2017年、Becky Gは方向転換を決意。自身のルーツであるラテン音楽、そしてスペイン語の表現に回帰しはじめた。その象徴とも言えるのが、Bad Bunnyとのコラボ「Mayores」である。挑発的なリリックとセクシーなビジュアルで話題を呼び、YouTubeでは10億回を超える再生を記録。
翌年には、Natti Natashaとの女性タッグ「Sin Pijama」が再び爆発的ヒット。Becky Gはラテントラップ/レゲトン界における女性の代表格として、急速に評価を高めた。
男性優位の傾向が強いこのジャンルで、Becky Gはフェミニズム的な視点や、自らのルーツへの誇りを音楽に込めた。音楽活動だけでなく、社会問題にも声を上げ、DACA(幼少期に米国に不法入国した移民保護政策)やBlack Lives Matterへの支持表明も行っている。
2022–2024|ジャンルを超える成熟と自己表現
2022年、Becky Gはフルアルバム『Esquemas』をリリース。そこでは、ポップ、レゲトン、ラテントラップに加えて、Regional Mexicanの要素も取り入れ、音楽的なレンジをさらに広げた。Karol Gとの「MAMIII」などヒット曲も多数収録され、Spotifyでもトップチャートを席巻した。
2023年には初のラテンアメリカツアー「Mi Casa, Tu Casa Tour」を敢行。母国語でファンとつながることの意味を強く感じた彼女は、「ホームに帰ってきたような感覚だった」とメディアで語っている。
2024年にはコロンビアのManuel Turizoと共演した「¿Qué Haces?」を発表。官能的で洗練されたサウンドと、成熟したボーカルが印象的な1曲となった。Billboardのインタビューでは「若い頃の自分では歌えなかった曲」と語り、アーティストとしての成長を示した。
恋愛と試練──婚約者とのスキャンダル
この時期、私生活でも注目を集めた。Becky Gはプロサッカー選手のセバスティアン・リレットと長年交際しており、2022年には婚約を発表。しかし2023年3月、SNS上でリレットの浮気を示唆する告発が浮上し、スキャンダルに発展。
リレットはInstagram上で公の謝罪を行い、「Beckyは私の人生の愛」と語る一方、メンタルヘルスの問題や、自身の誤った判断についても明かした。Becky G本人は沈黙を貫いたが、その後も堂々と音楽活動を続け、ファンやメディアからは「強く美しい女性」としての姿勢が称賛された。
2023年11月には、ふたりが再会している様子が報道され、「復縁説」も浮上。人生の試練を乗り越えながら、表現者としても芯をぶらさない彼女の姿勢は、多くの人々の共感を呼んだ。
さらにRolling Stoneの2024年特集では、Becky Gが「多文化時代の新しいポップスター」として評価され、音楽と社会的意識の両立に成功している数少ないアーティストのひとりとして紹介された。
まとめ|時代とともに進化するラテンの声
Becky Gのキャリアは、常に「越境」と「自己表現」の連続だった。言語の壁、文化の壁、性別の壁——それらを乗り越え、自らのルーツに誇りを持ちながら、世界中の人々に“リアルな声”を届けてきた。
ティーンポップからスタートし、レゲトン、ラテントラップ、Regional Mexicanとジャンルを横断しながら、自らの立場を確立してきた彼女は、もはや“ジャンルを超えた存在”だと言っても過言ではない。
音楽、社会問題、恋愛、家族——すべてを背負いながら、Becky Gはこれからも前を向いて進んでいくだろう。その姿は、多文化社会を生きる新世代の象徴そのものである。
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