12月最初の週となる今回は、レゲトン本流の熱さと、ラテン各国の個性が美しく交わる1週間になりました。多方向から“今のラテン”を楽しめるラインナップで、2025年の締めくくりに向けて、ラテン音楽がどこへ進むのかを示す重要な週と言えそうです。
Juanka x Myke Towers – Santa Diabla Remix
Juankaの低音ボイスとMyke Towersのクールなフロウががっちり噛み合った、重厚感のあるリミックス。
オリジナルの妖しさを残しながら、より都会的でダークなムードへと進化しているのが印象的。
ビートは硬めのデンボウ寄りで、2人のラップの存在感を最大限に引き立てる設計。
MVはネオン×夜の街がテーマで、楽曲の“危険で誘惑的な雰囲気”を視覚的に補強している。
クラブで爆音映えする、レゲトントラップの強度を感じるリミックスだ。
Ryan Castro “Richy” & SOG – MI FORTUNA
Ryan Castroが持つストリートラテンの質感と、SOGのメロディメーカーとしての強さが融合した1曲。
テーマは“自分の人生を勝ち取ってきた誇り”で、キャストロらしいリアルと温度がリリックに滲む。ビートは落ち着きつつもタイトで、彼のハスキーな声が映える空間がしっかり作られている。
MVはバリオの日常と成功の象徴が交互に描かれ、物語としても楽しめる構成。
2025年のRyan Castroの“成熟”を感じさせる一曲で、ファンには特に刺さりそうだ。
Justin Quiles, Lenny Tavárez, Blessd – LAS NEAS
ラテンアーバンの“メロディ職人”3人が揃った、鉄板の組み合わせによる上質な1曲。
Quilesの滑らかなフック、Lennyの色気のある声、Blessdの若々しい勢いが見事に混ざり合う。
ビートは軽快ながらも深みのあるレゲトンで、夜のドライブにぴったりのムード。
映像はストリートとカラフルなセットを行き来し、ポップさと大人っぽさの両方を演出している。
フィーチャリング全員が主役級で、聴きどころも多い完成度の高い作品。
JLEXIS X MICHAEL FLORES X SHADOW BLOW X ALOFOKE MUSIC – ME TOCO VERTE BRILLAR
ドミニカ発のエモーショナルなアーバントラックで、Dembowの勢いの中にも哀愁が漂う独特な一曲。
JLEXISとMichael Floresの伸びるボーカルが楽曲の切なさを際立たせ、Shadow Blowの存在感が全体を引き締めている。メロディラインが美しく、ラテンR&BとDembowの中間にある“いまのドミニカサウンド”を象徴するような仕上がり。
映像は物語性が強く、人生の分岐や希望をテーマにしたドラマタッチの映像美が印象に残る。
エネルギーと感情の両方を持った、ドミニカらしいハイブリッドバイブスの1曲だ。
Ozuna, Beéle – Un Pikito
OzunaとBeéleの再共演で、多幸感と甘さに満ちたラテンポップ寄りのレゲトン。
Ovy On The Drumsの気持ち良い軽やかさが特徴で、二人の柔らかい声質が見事に溶け合っている。歌詞は恋の駆け引きをテーマに、リズムに合わせて自然と口ずさみたくなるキャッチーさ。
MVはカラフルで暖かい映像が続き、冬でも南国の風を思い出すような空気感。
2025年の“メロディ系レゲトン”の代表格として長く聴けそうな1曲だ。



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