2026年3月第3週は非常に見応えのある1週間となりました。
深夜の余韻に浸れるFeidの最新曲や、包容力あふれるJ Balvinのコラボ作といったメロウな楽曲から、TokischaとSkrillexによるジャンル破壊的な衝撃作、そしてメキシコから届いたBellakathの最新バンガーまで。今のラテン音楽の「レンジの広さ」を体感できる厳選5曲を、今週も深掘り解説していきます!
Feid – TRANKAITO
Feidの新曲「TRANKAITO」は、タイトル通り肩の力を抜いたムードで聴かせる、夜向けのメロウ・レゲトン。派手に振り切るというより、低めのテンションでじわじわ気分を持ち上げるタイプで、近年のFeidらしい“深夜の余韻”がよく出ています。ビートは軽やかでも、ボーカルの運び方には色気とけだるさが同居していて、ヘッドホンでも映える仕上がり。即効性のあるクラブバンガーではないぶん、アルバムの流れやプレイリストの中でじわっと効いてくる一曲です。
marquitos, J Balvin – Orcasitas
「Orcasitas」は、marquitosとJ Balvinが組んだ、ストリートの匂いとロマンティックな視線が交差するラブソング。歌詞では、不安を抱える相手に向けて「君は自分が思う以上に特別だ」と言い続ける構図が印象的で、派手さよりも包容力が前に出ています。“Orcasitas(スペイン・マドリード南部のストリート)”という地名をフックに織り込むことで、単なる甘いラブソングで終わらず、街の空気まで背負った曲になっているのもポイントです。J Balvinの参加は押し出しすぎず、若手の世界観を自然に底上げする役回りで、コラボとしての収まりもかなり良好。
Tokischa, Skrillex – Surfboard
TokischaとSkrillexの異色コラボは、クラブ・ミュージックとラテンの境界線を大胆にクロスオーバーする実験作です。Tokischaの奔放なキャラクターを軸にしながら、Skrillexがビート面でエッジを立てることで、普通のデンボウやレゲトンには収まらない異物感を生んでいます。
聴きやすさよりもインパクト重視で、最初の数十秒で世界観を持っていくタイプなので、好き嫌いは分かれても印象には強く残るはずです。今のTokischaが“ラテンの枠内で暴れる”のではなく、グローバルなクラブ文脈ごと巻き込みにいっていることがよくわかる一曲でもあります。
Bellakath ft Dani Flow – SIN TI
BellakathとDani Flowの「SIN TI」は、露骨さとキャッチーさを両立した、メキシコ発の直球セクシャル路線のレゲトン。この2人らしく挑発的な空気は濃いものの、タイトルが示す通り、単なるパーティ曲というより“あなた抜きでは無理”という依存や執着のニュアンスも漂います。ビートはシンプルで抜けがよく、フックも一発で耳に残るので、現場向けの即効性はかなり高め。Bellakathのギャルっぽい強さとDani Flowの悪ノリ感が共存することで、下品さ込みで成立する独特のケミストリーが生まれています。
Soley x Boy Wonder CF x Charlee Way – Salió Con Raras
「Salió Con Raras」は、Boy Wonder CFとCharlee Wayが手がけた、女性アーティストのみで構成されたラテン・アーバンのコンピレーション企画である『La Liga Femenina』から出た一曲。
タイトルからも伝わる通り、恋愛や交友関係の“違和感”や“不信感”を切り口にしていて、軽快な曲調の中にしっかり毒を忍ばせています。長さは約2分台とコンパクトですが、そのぶん無駄がなく、フックまで一直線に入ってくる設計でリピート性はかなり高めです。


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