新年度がスタートした2026年4月第1週。今週のレゲトン・ラテンシーンは、「王者の貫禄」と、ジャンルのルーツを遊び尽くす「自由な精神」が共鳴する1週間となりました。
圧倒的なカリスマ性でシーンを牽引するCris MJの最新作をはじめ、独自のセンスで都会的なトラップを鳴らすÁlvaro Díaz、さらにはレジェンドDon Chezinaが仕掛けるオールドスクールなパーティチューンまで。
春の熱気とともに届いた最新の5曲。今週もあなたのプレイリストをアップデートする最前線のサウンドをお届けします!
AK4:20 feat. ITHAN NY – BAILOTEA
AK4:20とITHAN NYが組んだ「BAILOTEA」は、チリ勢らしい荒さとパーティ感をそのまま押し出したストリート寄りのレゲトン。タイトル通り“とにかく踊れ”というテンションが前面にあり、細かい物語性よりも、現場の熱量を一気に上げることを優先した設計。
AK4:20のラフな押し出しに、ITHAN NYの存在感が重なることで、クラブでも車内でも映える雑味のあるノリが生まれている。洗練より勢いで持っていくタイプの一曲だが、その無骨さこそが今のチリ・アーバンの魅力だと感じさせる。
Cris MJ – Presidente
Cris MJの「Presidente」は、タイトルから想像できる通り、自信と支配力を前面に押し出した王道のラグジュアリー系レゲトン。Sonarから出た2026年の新曲で、プロデュースはAtmYamilとJezzyが担当し、Cris MJらしい滑らかな歌い回しを引き立てるミニマルなビートに仕上がっている。内容面では“上に立つ側”の視点が一貫していて、モードとしてはロマンティックというより完全にステータス顕示。新たなスタイルを表現するのではなく、確立されたCris MJ像を改めて強化する一曲と言える。
Jamsha x Don Chezina – Chichona
JamshaとDon Chezinaの「Chichona」は、下ネタとオールドスクール感を真正面から混ぜた、かなりわかりやすいお祭り系レゲトン。Don Chezinaの名前が入ることで一気に“90s〜00sレゲトン”の空気となり、Jamshaの悪ふざけ感と合わさって、B級感を帯びている。
洗練された今どきのラテン・ポップとは真逆に、あえて下品に、あえて古臭くやることでキャラを立てているのがポイント。人を選ぶ曲ではありますが、レゲトンの猥雑さや遊び心が好きなリスナーにはしっかり刺さるタイプの一曲です。
Alvaro Diaz – BABY RECORDS
Álvaro Díazの「BABY RECORDS」は、自己誇示とポップカルチャー感覚を軽やかに混ぜた、彼らしい都会派アーバン・トラック。歌詞では“かわいい子たちはみんな自分のプレイリストにいる”と豪語しつつ、80年代のギャングスターやマラドーナまで引き合いに出すなど、虚勢とユーモアの絶妙なバランス。サウンドはトラップ寄りの骨格を持ちながらも重くなりすぎず、アルバロらしい抜け感とセンス。
BM, Rei – APD (VOLVÉ)
BMとReiの「APD (VOLVÉ)」は、踊れるのに切ない、アルゼンチン勢らしい感傷系エレテカ/クンビア路線の一曲。タイトルの“Volvé”が示す通り、テーマは別れた相手への未練と呼び戻したい気持ちで、ビートは軽快でも感情は直球。BMの親しみやすい歌い口とReiの少し荒れた質感がぶつかることで、ただの失恋ソングでは終わらない意思を感じる。アルゼンチンのダンサブルな大衆性とエモさをうまく両立した曲で、現地で強い理由がわかりやすいタイプのリリースである。



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