レゲトンが盛んな国はどこ?中南米から世界へ広がる音楽ムーブメントを解説!

COLUMN

世界を熱狂させるラテン音楽「レゲトン」。
でも実は、レゲトンは“1つのスタイル”ではありません。

この記事では、レゲトンが特に盛んな7カ国にフォーカスし、それぞれの文化的背景や音楽的特色、代表的アーティストや最近の動向を深掘りします。

あなたの好きなレゲトンがどの国のスタイルなのか、ぜひチェックしてみてください!

プエルトリコ|レゲトンの出発点

プエルトリコは、レゲトンの発祥地として最も重要な国です。

1990年代後半、Undergroundと呼ばれるスタイルから始まり、Tego Calderón、Don Omar、Daddy Yankeeなどが登場。

ストリートのリアリティを描いたリリックと、ジャマイカのダンスホールビートの融合がレゲトンの原型となりました。

現在もその影響力は衰えず、Bad BunnyRauw AlejandroYoung Mikoなどの新世代アーティストがグローバルシーンを席巻中。社会問題、フェミニズム、LGBTQ+などのテーマも積極的に扱い、時代と共に進化を続ける“本場”です。

コロンビア|世界基準のサウンドを生むプロデュース大国

コロンビア、特にメデジンは「今もっとも音楽産業が整っているレゲトン拠点」と言えるでしょう。
J BalvinKarol G、Feidといった世界的スターがこの地から生まれています。

特徴は、耳なじみのよいメロディアスなフックと、グローバル展開を意識したサウンド設計

ポップスやR&B、EDMとシームレスに融合し、Spotifyの世界チャート常連曲を多数輩出しています。Sky RompiendoやOvy on the Drumsといった有名プロデューサーの存在も強力な武器です。

パナマ|ルーツを誇るもうひとつの原点

意外に思うかもしれませんが、レゲトンの最初の形=「レゲエ・エン・エスパニョール」はパナマで生まれました。ジャマイカからの移民がもたらしたレゲエに、スペイン語の歌詞を乗せたのが起源で、El GeneralやNando Boomがその草分け的存在です。

音楽的には、よりレゲエ寄りのビートと、リラックスしたヴォーカルスタイルが特徴。
近年ではSechやBozaが登場し、メロディ重視の新世代レゲトンとして世界的に評価されています。パナマにはパナマの“ノリ”がある、それを感じさせてくれる貴重なルーツ国です。

ドミニカ共和国|爆速ビートとバイラル感、DemBowの本拠地

ドミニカ共和国では、レゲトンと密接に関係するジャンル「DemBow(デンボウ)」が独自の進化を遂げています。高速リズム、反復リリック、短尺構成──この3拍子が、TikTok時代の音楽として圧倒的な支持を受けています。

El AlfaやRochy RD、Tokischaらが代表的アーティスト。過激で攻撃的な内容も多いですが、それはドミニカの若者たちが置かれた社会状況のリアルな反映。クラブやストリートだけでなく、SNSを通じて世界へ広がる勢いが止まりません。

スペイン|ジャンルを飛び越える“アートとしてのレゲトン”

スペインでは、レゲトンは単なる音楽ジャンルを超えて、ファッション・ビジュアル・ジェンダー表現と連動するカルチャーとして受容されています。Rosalíaがその象徴的存在。彼女はレゲトンとフラメンコ、トラップ、クラシックを融合し、ヨーロッパから世界へそのスタイルを発信しました。

音楽的には、アバンギャルドで洗練されたサウンド設計が目立ちます。Quevedo、Ptazeta、La Zowiといったアーティストが、スペイン語圏のZ世代を中心に支持されており、ヨーロッパ発レゲトンの可能性を大きく押し広げています。

チリ|アンダーグラウンドとメロディの両立

チリは、南米における独自のアンダーグラウンドレゲトンの拠点として注目されています。
Polimá WestcoastやPailita、Young Cisterなどが代表的で、ビートはシンプルながらも感情表現が濃いのが特徴です。

政治的にも社会的にも不安定な背景を持つチリでは、音楽が若者の「声」となっており、レゲトンがラップやトラップと融合しながら社会的メッセージを内包するケースも多いです。SpotifyやYouTubeを中心に、南米内での支持も急上昇しています。

キューバ|政府の制限をかいくぐる、自由のビート “Cubaton”

キューバでは独自のレゲトン派生ジャンル「Cubaton(キュバトン)」が生まれ、Gente de ZonaやEl Taiger、Osmani Garcíaなどがこのスタイルを牽引しています。

政府による検閲が厳しい中、CubatonはYouTubeやUSBメモリ、地下クラブを通じて市民に広まりました。音楽的には、アフロ・カリビアンのグルーヴとスパニッシュ・ラップの融合が特徴的
メッセージとしては「自由」や「日常の幸福」をテーマにした曲が多く、“抑圧の中で生まれる解放”としてのレゲトンがここにあります。

まとめ|レゲトンは“国で聴く”と、もっと面白い!

レゲトンという音楽ジャンルは、実は国によってまったく異なる顔を持っています。
ストリート性が強いプエルトリコ、世界水準のメロディを持つコロンビア、ルーツを抱えるパナマ、バイラル感満点のドミニカ共和国、芸術性で勝負するスペイン、社会的メッセージのチリ、自由を求めるキューバ──どれも違うけど、全部レゲトン。
それぞれの国のビートに耳を傾けることで、きっとあなたの“推し国”が見つかるはずです!

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