2026年6月第2週のラテン/レゲトンシーンは、ヨーロッパから南米最南端まで、各地のストリートから最先端のクラブサウンドがダイレクトに炸裂する刺激的な一週間となった。
Kybba, Ryan Castro, Bad Gyal & TopBoy – SE LE VE
イタリア育ちのジャマイカ系プロデューサー・Kybbaが、コロンビアのRyan Castro、スペイン発グローバルスターBad Gyal、コロンビア出身のTopBoy TGRを招いた多国籍コラボ曲「SE LE VE」。色気と自信をテーマにしたリリックで、それぞれのアーティストのアクセントとフロウが際立つマイクリレーも聴きどころになっている。リリース前からKybba本人がSNSでコラボを予告していたこともあり、夏のアンセム候補期待値高めのスタートを切った。ヨーロッパクラブシーンの顔になりつつあるKybbaが、ラテン側の実力者と組んだ1曲として、今後のDJセットでも定番入りが予想されるトラックだ。
La Gigi, Sarita – La Azarosa
ドミニカ共和国出身のLa Gigiが、同じくシーンで注目を集めるSaritaと組んだ最新シングル「La Azarosa」は、“ツイてない女の子”をテーマにしたデンボウ路線の一曲。La Gigiのハスキーな声とSaritaのシャープなフロウがヘビーなデンボウビートに乗るスタイルは、“マパネグロ周辺のニューウェーブ”としても注目度が高い。MVはストリートと室内パーティを行き来する構成で、友達と笑い飛ばしながら“アザロサ(不運続き)”な日々を過ごす主人公像がテンポよく描かれている。ドミニカのフィメール・アーバンシーンの勢いを象徴する1曲として、今後もショート動画を中心に広がっていきそうだ。
Little Smoking – Poliamor
アルゼンチン拠点のアーティストLittle Smokingによる「Poliamor」は、タイトルどおり“ポリアモール(複数恋愛)”をテーマにした、ラテンアーバンの問題作的シングル。ミッドテンポのレゲトン/トラップ寄りビートの上で、複数人との関係をユーモラスかつ少しシニカルに語るリリックが展開され話題になっている。過去作「La Canción VIP」などと同様、クラブ映えするビートとキャッチーなフックの組み合わせは健在。ブエノスアイレスのストリート感と、現代的な恋愛観を掛け合わせた一曲として、スペイン語圏の若いリスナーに刺さる内容だ。
Arcangel, FANTA ROSARIO, VEI HABACHE, Tommy Blanco, Hades66, DJ Luian – GUAO
プエルトリコのOG、Arcángelが、新世代のFanta Rosario、Vei Habache、Tommy Blanco、Hades66を率いて放つヘビー級コラボ。DJ Luianが手がけるサウンドは、ダークで重たい808を軸にしながらも、クラブでも鳴らしやすいパワーを持っている。MVは夜のサンフアンのストリートを彷彿とさせるロケーションで撮影され、各ラッパーのキャラクターを前面に押し出した“ロールコール的”な映像になっている。Arcángelが自ら次世代をピックアップしていくスタイルの最新形として、プエルトリコ・トラップの現在地を知るうえでも押さえておきたい一曲だ。
PAILITA + BAYRON FIRE – PAJARITO
チリ・アーバンシーンの2大人気者、PailitaとBayron Fireがタッグを組んだ「PAJARITO」は、“上に立つ者への嫉妬や噂話”をテーマにしたマルベーロ/マンボ路線の一曲。南米最南端マガジャネス地方出身のPailitaが、地元ストリートから世界的アーティストへと駆け上がった自分のストーリーをにじませつつ、「上にいることの重さ」と「それでも止まらないマチネテ系のバイブス」を歌い上げている。
ビデオはブロック(団地エリア)で撮影され、クルーや近所の人々と一緒に盛り上がる光景を切り取ることで、「成功してもストリートを忘れない」二人の原点を視覚的に表現している。「PAJARITO(小鳥)」が噂話を運ぶ存在のメタファーとして使われているのも印象的で、チリ産アーバンが世界基準のサウンドとローカルなユーモアを両立させた一曲になっている。


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